世界中のお菓子あります  −ソニープラザと輸入菓子の40年ー

ふと立ち寄ったソニプラで、新書が平積みされていた。「?」と思って近寄ると、この本だった。しばらく立ち読みしてみたところ、スパムの語源は缶詰の商品名だとか、トワイニングを輸入しているのは片岡物産だとか、面白そうな雑学がけっこう載ってたので購入。ついでにこの本で「好きか嫌いか、反応は極端に分かれます。口の中に火がついたように広がるメンソールの刺激(略)」と紹介されていた「フィッシャーマンズフレンド」というイギリスののど飴も同時に購入。
フィッシャーマンズフレンドは、辛かった。私はもともと辛いものが好きなので平気だったけど、食べさせてみると顔をしかめる人が結構いた。


まあそんなのど飴をなめつつ読み進む。著者は、ソニプラ1号店開店後しばらくして入社し、以降輸入菓子の担当者だった方。その方が仕事とお菓子にまつわる話をだいたいの時系列で述べられたもの。ソニプラはなんと今年で40周年になる。ので、この本を読むと今当たり前になっている小売りの技がどのように発展していったのかが垣間見られる。


40年前は意外と昔だ。バレンタインディの習慣もなかったし、平積みという陳列方法もなかったらしい。そもそも「20代〜30代の女性向けのもの」というふうに顧客ターゲットを絞って商品を揃えたのはソニプラが初だそうだ。それまではお菓子ならお菓子、化粧品なら化粧品、というふうに商品ごとに全ての年齢の方に合うように商品を揃えていたらしい。こう考えると、僅か40年の間に日本の小売業界は大きく変わったんだなあと思う。


で、そんな時代を生きて来た著者が語るお菓子の話。面白くないわけがない。まあお偉いさんらしく、やや話が武勇伝っぽくなってしまうのだが、それを差し引いても興味深い。


これまではソニプラに行っても主にグッズを見ていて、お菓子はあまりチェックしていなかったのだがこれからは挑戦してみようと思った。
とりあえずリップチップスとキャバドリーのチョコとハーシーのチョコとフェイマスエイモスのクッキーが食べてみたい。

蛇足だけど、ソニプラのお菓子戦略はロングテールの逆の「恐竜の首」だなあと思った。

世界中のお菓子あります (新潮新書)