教える技術は共有できるのかもしれない

今日から某資格習得目指しての研修が始まった。
この講習の受講料はかなり高額。団体割引を使っても、高額。


しかしこの講習、高いだけのことはあると思う。テキストもよく纏まっているし、講師の質もとても高い。うちの会社の同期は人数が多いため3クラスに分かれて講習を受けているが、皆分かりやすいと言っている。また、この会社の講習を受けるのは2回目だが、どちらの講師もとてもいい講義をしてくれた。
ええと結局ユニークな講師は5人になるが、同期の意見を総合すると全ての講師がかなりいい評価をされていた。よってこの会社は講師の質が高く、なおかつばらつきがないことが推測できる。


この、講師の質にばらつきがないってかなり重要じゃないかなあと個人的に思う。4月に入社してから今までいろんな会社のいろんな人材開発用研修を受けてきたんだけど、どうも同じ会社の同じ研修パックでも講師のアタリハズレってかなりあるみたいだなあということに気が付いた。
勿論用いる資料や進行時間は揃えてあるから、傍目には同じ研修を受けたように見える。でもこういう講習って講師の細かい一言が内容の理解にクリティカルに効いたり、+αで得られる物が大きくなったりするため、同じお金を払ったにも関わらず学ぶことができるものが壁一枚隔てた隣の教室同士で数倍程度違うかもしれないということがだんだん見えて来た。

これは商品を研修にしている会社としては致命的なんじゃなかろうか。


そんなこと言ったって講師との相性があるし、と思われるかもしれない。甘いねー。
この会社の講習を受けての印象だが、うまく伝える・教えるための技術が徹底的に共有されているみたいだ。簡単な例を挙げると

  • 重要なキーワードやセンテンスは声を大きく、若干ゆっくりめに、最低3回は繰り返して言う。受講者がマーカーでチェックするのを促し&次に進むのを待つ効果がある。
  • 受講者の多くが口頭文をメモしている時は、皆が落ち着くまで次に進むのを待つ。
  • 「ここは重要です」をさも重要そうに言う。
  • 今テキストのどのページなのかを、ページをめくるごとに言う。勿論テキストの全てのページにページ番号がふってある。
  • テキストのどの部分を参照しているのかも適宜細かく言う。
  • 理解を深めるための口頭キーワードや、興味を持ってもらうための導入話などが講師間で共有されているらしい。


文章にするとなんだこんなこと、という感じだが実際に講習を受ける身としてはかなり効いてくる。多分講義をしている側からすると、かなりくどく感じるはず。でも受講側はちょうどいい。
特にこの講習はかなりのボリュームを短期間でマスターすることが要求される中、このように1つ1つ飲み込む時間をとりながら講習が進むのはとてもありがたい。結果、実はペースが早いにもかかわらずそれを感じさせない講習が実現している。


これまでに受けた研修では、この辺りが個人の技量に依存している割合が大きかったように思う。しかし今回この会社の講習を受け、名人芸は共有できるということを感じることができた。

もっとも、これくらい有名な会社の講師陣ともなるとびっくりするくらい優秀な人材が揃っているんだろうなあというのも見逃せないけど。


こうして素晴らしい講習を受けた結果、同期の多くが現在の勉強を楽しんで学び、嬉々として演習に取り組んでいる。勿論私も例外ではない。基本情報技術者試験でもこの範囲は少しだけ出るのだが、基情報の時の勉強ははめんどくさいだけだったのに、この変わりようは凄いと思う。