お花見

東京は今週末が桜の見頃、ということでお花見に行って来た。


新宿御苑に、会社の先輩方と。これがもう凄く楽しかった。


まず待ち合わせの千駄ヶ谷駅に行くまでで既にお花見気分。だって電車の窓から見ていたらあちこち桜が満開なんだもん。しかも富士山まで見えた。なんかラッキーな気分。


首尾よく先輩方と駅で合流し、ほてほてと人の流れに乗って新宿御苑へ。門に付いたら入園券販売所があって少し驚いた。そうか、入園料がいるのか。大人200円。安い。うむ、それくらいなら納得できるぞ。


先輩がまとめて券を買ってくださるのを私は券売所の横にあった新宿御苑の地図を眺めて待つことにした。


広いなあ。ゲートが新宿と、千駄ヶ谷と、大木戸とにあるぞ。大木戸は分かんないけど新宿と千駄ヶ谷は2駅離れていて、その両方に門があるだなんてなんて広いんだろう。端から端まで歩くのに少なくとも1時間くらいかかりそうだぞ。全部ちゃんと見てまわるには3日くらいいるんだろうなあ。ああ、このハクモクレンの大木とやらが見たい。モクレン、なにげに好きなんだよなあ。でも遠いなあ。……なんて考えていたけど、実はそんなに言う程大きいわけでもないことがほどなく判明した。


それにしても新宿御苑って初めて行ったけど、ゆったりしていていい場所だった。去年は上野公園に行って、確かに桜は凄く綺麗だったんだけどちょっと人が多いかなって感じだった。新宿御苑は桜も綺麗だし、それに何より広いから人がいっぱいいてもまだまだスペースがあってよかった。それに桜だけじゃなくて梅とかいろんな木があるのも楽しかったし。新宿御苑のホームページによると、ここはもともと「譜代の家臣であった内藤清成に授けた江戸屋敷の一部」だったらしい。昔はごく限られた人しか入れなかったであろう場所が今はこうやって公園として庶民にも公開されてるいるなんていい時代になったものだなあ、なんてちょっと思ったりした。



千駄ヶ谷門からすぐの広場で場所取りをしてくださっていた先輩夫妻と合流し、シートに座ってまったりする。しばらくすると先輩方が食べ物やら飲み物やら持って、ぱらぱらと集まっていらっしゃった。
そんでまあ人も集まったしということで飲んだり食べたり開始。お箸やお皿や紙コップや、それにお手拭きまであって快適に過ごせた。ご飯もおいしかったー!。


ちょっとづつ人が増えて、総勢20人くらいになったのかな。うちお子様が6人。みんな2歳とか3歳とかの、ほんとちっちゃい子。始めのうちはお母さんにぴったりくっついて固まっちゃう子とか、大泣きしちゃう子とかもいたけど、ご飯を食べたり横の人に遊んでもらったりしているうちにみんな慣れてきたようだった。
私も1歳9ヶ月のお嬢ちゃんや3歳くらいのぼっちゃんと遊んだ。


特にお嬢ちゃんとは超遊んだ。こんなにちっちゃい子と接する機会はほとんど無かったんだけど、NHK教育テレビの「いないいないばあ!」のノリと、あとどっかで読んだ気がする「こどもは反復遊びが好き」っていう正しいかどうかも定かではないうろ覚えの知識を意識しつつ、551の豚まんのカラシの小袋をやりとりしたりしたらけっこう楽しんでもらえたようだった。私も楽しかった。
それどころか段々、素で楽しくなってきた。特に紙おしぼりをカードに見立ててお互いが券売機になって遊ぶってやつは私もツボに入って大笑いになり、ヒートアップのあまり自分のお尻でうっかりカラシをつぶしてしまうほどだった。まわりの先輩方があらあらーって手やらシートやらを拭いてくださった。私も自分の脚をお手拭きで拭ったんだけど、カラシが付いたところがヒリヒリした。
他の子ともちょいちょい遊びつつ、流石に6人もいると分かんなくなってきたぞあれあの子はどの先輩とこの子だっけなんて思っていたら知らない人の子がまざっていたりした。



まあそんなこんなで楽しく過ごして、そろそろ帰ろっかーってなった。荷物をまとめて、シートを畳んで。
先輩やら後輩やら男性5人くらいが「ではー」って新宿門の方に帰って行った。私も手持ち無沙汰になってきたので、よし閉園まではまだ時間があるぞ一人で散策しようモクレンも見たいしと決め、「では私もここでー」って、来る時に使った千駄ヶ谷門方面とも先ほど先輩方が去って行った新宿門方面ともあえて違う方向に歩き出した。お子様達が「ばいばーい」って言ってくれて嬉しかった。私も振り返って「ばいばーい」ってしつつ去っていった。なかなかかっこいいかもなんて思った。


さて適当に歩き出したはいいが、これはどこに向かっているのだろう。ポケットに入れておいた園内案内地図を広げて確認するとどうやら「フランス式整形庭園」方面に向かっているらしかった。このまま池沿いに端まで行ってぐるっと回ってバラ園を見て、園の真ん中をつっきってハクモクレンを見てから新宿門から出ましょうそうしましょう、と大雑把に道順を決め、てくてく歩く。
左手の池に木が映り込んでいてい綺麗。右はモミジ山らしい。ほんとだモミジの木だ秋も来たいなあなんて楽しみながら歩く。


途中、あ!ゴミを何も持って来てない!!!悪いことしちゃった!って気付いたけど後の祭り。


プラタナスの並木は、まだ全然葉が出ていないようで寒々しかった。そこだけ冬みたいだった。バラ園もあまりよく分からなかった。その時はシーズンじゃないせいかと思ったんだけど、もしかしたらバラ園を見ていなかったのかもしれないと今気付いた。

さてマップを再度確認すると、大部端の方に来ているようだった。せっかくだから玉藻池を渡って行くか、とルートを微妙に修正。
このルート変更がけっこう良くて、見事な玉藻池のコシノヒガンザクラを見ることができた。ソメイヨシノより色が濃い。池にまた映えるんだこれが。折角なので写真を撮った。冒頭の写真がそれ。もう一枚撮ったのも貼っておこう。



ねー?綺麗でしょー?


そう、玉藻池までは現在地を正しく判断できていたんだよ、多分。ここまでは大丈夫だったはず。多分。


その後がどうもよく分からないんだよなー。園の外にあるDocomoエンパイアステートビルみたいなアンテナ塔とか、新宿らしいマルイの建物とかで方角をなんとなくざっくりと把握しつつ春爛漫の新宿御園を楽しく歩いてったんだよ。それは間違い無い。


でもなんかいつの間にか自分で想像していたのとは真逆の方向に歩いてたみたいでさあ。園内のレストランの建物に辿り着いたのをきっかけにマップを広げたらあら不思議。このまままっすぐ行くと目的のハクモクレンだと思ってたのに、本当は新宿門らしいですわよ。ハクモクレンは今来た方らしいですわよ。ってことに気付いた。
既に閉園30分前のアナウンスがあって帰る人の流れができ始めていたけど、まだまだ宴会してるグループもいっぱいいたのでもうちょい粘ることにする。再度軌道修正して、人の流れとは違う方向歩き出したんだけどほどなくまたもや現在地を見失って、なんかもうわけわかんないしハクモクレンはまた来年とかにしようと決めて今度こそ人の流れに乗って帰ることにした。



それにしても不思議。どんなルートを通ったのか、今マップを見ているけど見当もつかない。やっぱあれか、桜の精とかのいたずらか。
そう言えば私は過去に1度だけ迷子らしい迷子になったことがあって、それもやっぱり桜の中だったんだよなあ。母の職場の、ちょうど今日みたいなお花見会が大阪城公園であったから付いて行って、弟と二人でアスレチックで遊んでたらベースキャンプに戻れなくなったんだよなあなんてことを思い出した。あの時は弟と二人で桜の森を彷徨ったんだった。そしたら親切な人が声を掛けてくれたんだけど、私は自分達は迷子じゃなくてあくまでも自力で戻るんだと思って名前とか答えなかったのに弟が勝手に私の分まで答えやがって園内放送されてお母さーんって涙の再会を果たしたんだった。なんだしっかり迷子じゃん。



そんなこんなで新宿御園のお花見はかなり楽しめた。
ただ、花粉に長時間曝された後遺症が……。薬は飲んでたんだけど、最近花粉が減って来た気がしてたから油断してマスクは付けなかったんだよなあ。しくった。