SOY CMSな後輩と横浜散策

昨日は大学院の後輩と横浜散策をしてきた。
彼は現在社員数4人のベンチャー企業にいて、SOY CMSっていう製品とか、化学と細胞生物学をバックグラウンドに農学の知識を再構築して新しい農業のメソッドを創る!とかやってるらしい。
普段だと誰と遊んだかはぼかして書くんだけど、別れ際に「今日のことブログに書いていいい?」って聞いたら「俺の名前付きで書いてください!そしたらgoogleツールバーから辿ってくんで。」って言われちゃったから個人情報ばりばりで。
おーい、齋藤くん、見てる〜?こんなテレ朝キッズの感想ばっかなブログでごめんよ〜。


ええとさて齋藤くんである。
齋藤くんは夜から用事があるということで、お昼前に横浜駅で集合。
そして夕方に解散するまで、ひたすら歩いた。半端なく歩いた。
しかもその間喋り続けた。喋りまくった。



横浜駅にいるのに「みなとみらい駅*1はどっちの方向かなー?」なんて呟いている齋藤くんをやや不審に思いつつ昼のピクニック開始。
横浜中央郵便局の脇の道を通りながら「今何してるのー?」から始まって仕事状況報告。
でもまあ私の方はなんら変わったことはやっていないので自然と齋藤くんが話すことになる。これがめっぽう面白かった。
面白い話を色々としてくれたので以下箇条書きで。

  • 「新しいCMSを作ったんです。メンバーのうち2人はスーパープログラマーでバリバリ実装してくれて、俺は最近英語化してるんですよ」

スーパープログラマーか……。眩しいぜ!しかも2人もいるのか。
CMSなんてどうやって作るんだろ。しかもたった2人で作っちゃうなんてどういうこと!?
英語化にもびっくりした。
私がいる会社では製品を他の言語に対応させようなんて言ったらかなりの工数の一大プロジェクトになるんだけど、SOY CMSは英語化のほとんどを齋藤くん1人+おかしいところはWikiで募るって方式で対応しちゃったらしい。
もっとも、扱っている製品の性質が違うっていうのは分かるけど、でもこのフットワークの軽さには驚いた。

  • 「横浜も変わりましたねー。あっ、高島駅の位置が変わったのか。昔は確かあの辺だったんですよー」

へー。
なんて言いつつ、新高島駅の辺りを通る。
気が付いたらそごうがあんなに遠くに見える。
そして遠くに見上げていたドコモタワーがすぐそこに!

  • 「仕事場は民家を借りてやってます。社長の机は押入れを改造して使ってるんですよ」

民家なもんで齋藤くんはここに寝泊りしているらしい。
しかもネズミが出るらしい。
プログラマの1人はモニタを4つ使っていて、内訳は開発中のソースコード、実行画面、SNSとか、あとアニメとか、だそうだ。本人がマルチタスク
そんな仕事場なもんで勿論普段はスーツとか着ない。普段どころか、社外の人と会う時も普段着らしい。
齋藤くん曰く、そっちの方が目立っていいんだって。
うーん、ベンチャーっぽい!

  • 「横浜美術感だ。綺麗な建物ですよね。入ったこと無いけど。そう言えば知り合いに建築士の人がいて、一緒に歩くと色々解説してくれてすっごく面白いですよ」

建物の形には意味があるし、木の配置にまで神経を使うんだって。
そう言えばそんな話は聞いたことがあるかも。都市建築とか何とか。
気の利いた建物がいっぱいある街を解説付きで散歩するのはとても楽しそうだなあ。

  • 「その建築士の人に拉致られて京丹後にカフェを一軒造りましたよ」

始めのうちはてっきりコンセプト作りか何かに参加したのかと思ったら、ほんとに「造った」らしい。つまりボードを貼ったり壁を塗ったり。
はは、色んなことしてるねえ。てかなんで建築士の人とそんなに仲良しになるのさ。


……なんてことを話しながら歩いていたら目の前に見覚えのあるオブジェが。もしかしてここはクイーンズスクエア!?
うわあ、横浜から2駅歩いて辿り着いちゃったぜ!
しかし齋藤くんは歩みを止めない。

  • 「うちの会社では質問は最初の1回だけしてもいいっていうルールがあるんです」

開発っぽいこともやっている齋藤くん。最近はSQLを勉強中だそうだ。
で、SQLを始めるにあたってプログラマーに質問する。
齋「これどうやってやるの?」
プ「SQL
以上。
ええー、それだけ!?
後は「SQL」をキーに芋ヅル式に調べて行くんだって。これにはかなりうけた。
しかも最初の1回以降は質問禁止なんだって。確かにこうやってモノにした知識はかなり堅牢になるよなあ。


よく聞いてみると齋藤くん、企業のホームページを作ったこともあるらしい。
齋「CSSは面白いです。HTMLはあんまり好きじゃないかな」
うーん、たいしたものだ。
CSSとHTMLを取得した時にはお手本となるページのソースを「模写」したんだって。CSSはセンスの世界だそうだ。
CSSとHTMLをやってた時はほとんど寝なかったらしい。


臨港パークまで行って海を眺めて、流石に疲れてきたのでクイーンズスクエアのケーキ屋さんへ。下のケーキ写真は齋藤くんが撮ったもの。


  • 「やっぱり不安ですよー。不安になったら人と会うんです。明るい自分でいられるから。HTMLやってる時は不安になるとひたすらHTMLを書いていました。」

そうかー、なんか自由人に見えるし、学生の途中でベンチャー関連のことを始めたからなんとなく私の中で齋藤くんはまだ学生のイメージだったんだけど、齋藤くんもやっぱ大人なんだねえ。
普通の会社にいる私でも不安なんだから齋藤くんはさらに不安だろう。ベンチャーな分、個人に求められる能力も責任も大きいし。
この数時間齋藤くんの話す勢いと内容に圧倒されっぱなしで、いったいこのエネルギーはどこから……?なんて思ってたんだけどちょっと分かったかも。
回遊魚みたいだ、って思った。
ベンチャー企業の社長さんとかのブログを読んでいると、しばしばその行動力やパワーに圧倒される時がある。不安と戦いつつ自分の力とビジネスプランを信じて世の中渡ってくなんて相当肝が据わっていないと到底無理で、だからこそ彼らの言葉には力があるんだなあと思った。

  • 「「ドラマチックじゃない」っていうのを口癖にしていたらみんなにも伝染しちゃって」

これもツボにはまった話。
齋藤くんは何かイベントっぽい出来事が起こりそうな時には「自分を映画の主人公に見立てて、そのシチュエーションがドラマチックかそうでないか」を気にするのだそうだ。
例えば今の会社の社長さんと初めて出会った時には京大時計塔の前で待ち合わせをしたし、また例えば会社のみんな宛てに贈り物が届いた時にはみんなで贈り物をわーって囲んでその中心で開けなければいけないそうだ。
ちょっとこれって日常を面白くするいい視点だなあと思った。


ケーキ屋さんを出て汽車道の方向へ。
なんか横浜開港記念Y150博とかやってる。おお、ネットで見た蜘蛛の巨大ロボットが動いているぞ。
齋藤くんはブースの入り口とチケット売り場に興奮していた。


  • 「横浜博みたいです!そうそう、床とか白くて未来を感じたっけ。何度も親に連れてきてもらいましたよ!」

私の知る数少ないサンプルによるとどうやら横浜の人は横浜博覧会のことが大好きで、みなとみらい地区を訪れると20年前の博覧会のことを未だに熱く語ってしまうという習性があるらしい。
そんなに面白かったんだー。来てみたかったな。
でも奈良のシルクロード博も捨てたもんじゃなかったぜ。……ってうわ、今調べてみたら、ならシルクロード博は横浜博の1年前だったんだ。


線路の跡が分断されているのを嘆きつつY150博の会場を回りこんで横浜港駅の跡地を見て、赤レンガ倉庫に行って、シーバスに乗ろうとしたけどちょうど出たとこだったので馬車道駅からみなとみらい線に乗って横浜まで帰って来た。



いやー、話した!ほんとはもっともっと話したんだけど到底書ききれない。
そして歩いた!携帯のGPS歩数系で見たらなんと10kmも歩いていた。やりすぎ……。


でもでも充実した一日だった。
普段会社の人とばっかり接してるから、久々に違うテイストを持つ齋藤くんと話せて新鮮だった。閉塞感が打ち破られたと言うか。
なんかねー、私ももっとしっかりせんとと思いましたよ。本人は意識してないだろうけど、発破をかけてもらえてよかったなあ。


流石に長くなりすぎた。ここまで読んでくださった人、おつかれさまです&ありがとう。

*1:横浜からは地下鉄で2駅離れている