内定おめでと焼肉パーティー

というわけで、焼肉食べ放題に行って来ました。
下のフロアの研究室の子達を中心に、なんとなく集まる総勢10名のくいしんぼメンバーです。いつもはその研究室のリフレッシュルームに集まるのですが、今日は奮発して町まで遠征してきました。


内定おめでと焼肉パーティーということで、めでたく全員の進路が決まっています。やっぱり研究職が多いなあというのと、女の子が決まるのが遅かったなあという印象を受けました。その場にいた女の子は私を含めて3人なのですが、3人が3人とも7月上旬に決定した組でした。年内に決まっていた男の子に比べると半年も違います。でもみんな決まってよかったです。終わりよければ全てよしです。

始めは肉を焼いたり夢中で食べたり飲んだりして騒いでいたのですが、次第に仕事の話が交じるようになってきました。どこ勤務?とか、社宅?とか。社会人を意識した瞬間でした。


で、お肉でお腹いっぱいお酒もたらふく飲んでおひらきになりました。お酒を飲まずに車で来た友人に最寄駅まで送ってもらいます。途中、近くに住むもう一人の友人を落として行ったのですが、彼の家が私の実家にあまりにも近かったため吃驚しました。頑張れば小学生でも歩ける距離です。彼も私も子供の頃からそこに住んでいて、でもお互いのことは学区が違ったため全く知らずに過ごして、そして今になって知り合うなんてとても不思議な気がしました。
普通この年になって知り合う人は文字通り育った背景が違うものなのですが、彼の場合は私と共有したあまりにもローカルな背景を持ちつつも、つい去年知り合った存在であるということがすごく不思議というか、大げさに言えば時空を超越したような気になりました。うまく表現できないのですが。


話を戻して最寄駅まで送ってもらった後、コンビニに寄って食料を少し買いました。そしてぬかりなく猫スポットに行きました。
クリニックの駐車場であるここは、いわゆる猫の集会所になっていて、たいてい2〜3匹は猫がいます。するとなんと今日は今までで最高の11匹もの猫がいました。
しばらく黙って眺めていたのですが、ついむらむらして我慢できなくなり、先ほどコンビニで買った牛乳をやってしまいました。野良猫に餌をやることが悪いことだということも、牛乳で周りを汚すのが迷惑だということも、牛乳をやったら成猫はお腹を壊してしまうことも承知しています。でも酔いも手伝い、我慢しきれなかったのです。

そっと近寄り、マンホールの蓋に牛乳をこぼれないように注ぎました。猫はみんな人に慣れていないらしく、私が離れるまで飲みに来ようとはしません。
注いでは離れて観察し、無くなったようならまたそーっと注ぎに行ってすぐに離れて観察し、を数回繰り返しました。
そうしているとすぐに、兄弟でしょうか真っ白の猫2匹がいち早く飲み始め、他の猫は遠巻きに見るしかないという力関係が分かるようになりました。遠巻き猫たちはいかにも小さくてがりがりに痩せていて可哀想だったので彼らも飲めるように、私は数箇所に牛乳を注ぐことにしました。するとみんなが飲めるようになったので満足しました。

そうこうしているうちに、がりがり猫たちにもっといいものを食べさせたくなってしまったので、コンビニに引き返して何か無いかと探しました。本当は猫用カリカリが欲しかったのですが、生憎と置いていなかったためエンピツソーセージを購入しました。これも塩分が多く猫の体に悪いことは知っています。
で、急いで猫集会所に引き返し、エンピツソーセージを小さくちぎってカケラにしながらあちこちに撒きました。みんな一心不乱に食べてくれ、ガリガリ猫も喜んでくれたかなあと嬉しかったです。

ふと、ソーセージのカケラを自分の近くに落としてみました。もの凄く警戒をしながらそれを食べに来たのは先ほどの白い一番猫達でした。もう少し自分の近くに落としてみると、やはり白い猫が食べに来ました。こうしてどんどん近くなり、ついには足先 5cm 足らずの所に落としたカケラまで食べにくるようになりました。しかし警戒は解かず、私が少しでも体を動かしたらすぐに逃げて行ってしまいます。
こうして白い猫が頑張っている間、ガリガリ猫達は遠くで見ているだけでした。私は正直牛乳の時点では白い猫ばかり美味しい思いをして、と反感を持っていたのですが、白い猫は白い猫でこうして頑張ったからこそ他の仔猫よりも大きくなることができ、今のボスの地位にいるのかと思いました。ボスとは言えこの白い猫たちも痩せていました。


野良猫はこのように勇気を出さねば餌にありつけず、人間も生きるためには自尊心が傷つけられることが前提で、それが嫌だと言うようでは野垂れ死にしかないなあと思いました。人間はコストがかかっているのに、結局は野良猫と一緒なのかと思いました。それならかけるだけコストが無駄じゃんと思いました。
加えて、野良猫に餌をやってしまった……と思いました。


こうしてぐしゅぐしゅと泣きながら帰ったら家で待っていた彼氏に「飲みすぎ」と怒られました。