志賀直哉旧居が超オススメ

志賀直哉
ええと、暗夜行路とか?
読んだこと無いなー。


とにかくね、志賀直哉が昔住んでた家が奈良公園の外れにあって、建物内部が最近一般公開されるようになったみたいだから行って来たの。
まあ実際はここだけじゃなくて奈良をあちこち観光しようってことだったんだけど、個人的には今日行ったとこの中で志賀直哉旧居がピカイチでよかったからこのブログでもオススメしたい!と思ってエントリを作成。


私が考える志賀直哉旧居の魅力は

  • お家が丸ごと見られるから志賀直哉の生活がちょっと分かる。
  • 昭和ロマンの素敵な意匠を楽しめる。
  • お庭も趣があって見ごたえがある。
  • 穴場だからゆっくりできる。
  • 自分が志賀直哉のお客さんになった気分を味わえる(?)


……って感じかなあ。
展示の仕方としては神戸異人館とかと一緒で、お家をそのまま開放する方式。
でも異人館に行った時とはなんか印象が違う。


異人館はあくまでも「観光」って感じだったんだけど、志賀直哉旧居はなんだか自分が志賀直哉のお客さんになったような気分になる。いや、ひょっとするとここに住んでいたような気にさえなる。
やっぱり日本人だから日本風建築の志賀直哉旧居に親近感が沸くのかしら?
実際、建物内に入った瞬間の感想は「わー、おばあちゃんちみたい」だったからねえ。


窓の格子とかね、木でできてるの!部屋の区切りは勿論ドアじゃなくて襖なの!
特筆すべきは現代の建物に比べて全てがミニサイズなこと。
天井とか明らかに低い。廊下の幅も狭い。
いくら昔の人の平均身長が低いとは言え、ちょっと小さすぎ……と考えて、慎ましく生活していたであろう昔の日本人のことを考えたり。


かと思うと広々としたダイニングがあったりするから油断できない。
壁際には大きくて立派な革張りのソファが設置されているし、しかも隣の部屋がサンルームになっていてなんかもう素敵すぎる。

ここがサロンになって文豪とかが集まったんだなあと思いつつ、ソファーに座ってお客様のマダム気分を味わう。



質素に見えつつ実際には意匠を凝らした贅沢な建物なんだなあという印象。
例えば子供部屋の電燈の笠なんかも、ガラスに可愛らしい切子模様が描かれていて欲しくなっちゃうくらいだった。



それにお部屋とお庭の配置にもかなり神経が行き届いている気がした。
例えば前出のサンルームから出られる芝生のお庭には休憩用のテーブルとイスが設置されていたり。
志賀直哉の居間からはお茶室とお茶室用のお庭が見えたり。
志賀直哉の書斎は角部屋になっていて、執筆用の机の前と右には大きな窓があってお庭の木がすぐそこに迫り出していたり。
二階の客室からは若草山が望めたり。


この素晴らしいお家の設計を志賀直哉は自分でしたらしい。
にくいぜこの志賀直哉!って感じだった。


志賀直哉旧居はかなりよかったんだけど、中でも志賀直哉の居間からぼーっとお庭を眺めるのと、二階の客室でぼーっと風に吹かれるのと、お庭を散策するのが特に気に入った。



お庭にも自由に出られる。素晴らしい。
志賀直哉旧居は正面玄関の受付を済ませたら靴を脱いでお家に上がる。そのときに自分の靴は受付脇のビニール袋に入れて持ち歩く、ので、いつでも好きな時にお庭を出入りすることが可能。
サンルームから、縁側から、お勝手口から。
昔の人だから品がよかったはずだけど、志賀直哉の子供達とかはこうやってお庭に出て遊んでいたのかなあなんて思って、自分もここに住んでたような気分になった。
 

志賀直哉旧居を堪能した後は春日大社に行ったり……


若草山に登ってぼーっとしたり……


シカにしかせんべをあげたり……


東大寺の阿吽像を見たり、興福寺五重塔を見たり、猿沢の池に映る五重塔を見たりして帰って来た。
やっぱ奈良はええなあ。

おまけ1
近鉄奈良駅で見付けたキトラ古墳のポスター。
1000年以上前の古墳のポスターとしてはかなりセンスが新しい!かっこいい!

おまけ2
志賀直哉旧居は奈良交通の破石町のバス停で降りるといいです。
でも近鉄奈良駅から大仏殿方面へ向かう道はめっちゃ混んでる*1ので、あえて市内巡行内回りとかの逆向きバスに乗ったら快適に辿り着けたのでオススメです!(観光所のお姉さん、奈良交通のお兄さん、ありがとう!)

*1:近鉄奈良駅から大仏殿まで40分とかの恐ろしい状況。歩いても15分くらいなのに!